ドラクリウス

んで、その感想ですが。


まぁ、一本道のシナリオが基本であり、数本の分岐Endがあるだけの作品であります。
各ヒロインのそれぞれのEndを期待している人には結構厳しいものじゃないかなぁと。

で、その肝心のシナリオですが、私には実に好みの温度でした(w
主人公クンが等身大というか、最後の決戦で”ラスボス”に「いかにも!」と言われて「たこにも!」と思わず返しそうになってしまう(実際には自重してましたが。いくらなんでもあんまりだろうということで)ようなキャラで、でもやるときはやる。そんな人だったのが好印象。
スイッチが入るとアツくなるタイプの、普段は平凡を愛する主人公なんですが、そのアツくなるポイントなんかも、わかりやすいというか非常に私には共感しやすいものでして。
キャラは、とにかく立ちがいい。
4キャラ+α+主人公が一堂に会し、プチハーレムを形成しているような状態になるわけですが、その中でもキャラの住み分けというか、適度にキャラ被りあり、でも食い合うわけではないドタバタ、という印象が強いですね。
個人的なお気に入りは、何故かツンデレぽい二人より、無表情系ながら焚きつけ役の人狼ゼノさんと、みんなのまとめ役でありお局さんであるベルチェ。こういうキャラがまさに好みの温度。
シナリオに関しては、面白いかどうかはともかくとして「納得的」であるというのが印象。
空気の流し方が計算されているというか、「ああ、ここでこういう風に思わせるのね」というのが分かる。分かった上で納得できるような。
あと、バトル描写もあるのですが、わりとハードな筆致で、独特のイベント絵切抜き表示と相俟って漫画的というか、テンポはよく出来ていると思います。灰汁の抜けたFateといいますか、そんな感じ。
扱ってるネタがネタだけに割とエゲい描写もあったりしますが、前述の適度なコミカライズがその辺の抵抗も緩和してくれますね。
水戸黄門のピンチシーンといいますか、絶対悲惨を悲惨のままで終わらせないだろうなという妙な信頼が……(w
回想シーンは数はそこそこ、でしょうか。一個一個が濃いのもあれば薄いのもあり、一箇所だけやや非道系がありますが、他はほぼ全部が和姦で構成されているのも、私としてはポイント高し。いや、無理やりはそれはそれで好きですけど(何

不満点を挙げれば、やはり「各人のEND」がないということと、どうしても説明が長くなるということでしょうか。
あとは、私は分岐ENDを先にクリアしたんですが、そのEndの際にかなりメインルートのことを察してしまったというか、分かってしまったというか……。分岐Endはそれはそれで別のスタッフロールを用意できればよかったんじゃないかなぁと思ったりして。ムービーであれば容量の都合上結構厳しいというのは分かりますが(w

個人的なオススメ度は10点満点で6.5といったところ。
題材からして人を選ぶということと、一本道であること、あとは前述の不満点などを総合して、「迷ってたらかなり薦める」という感じですね。
そんなドラクリウスでした。